実験4号が思い返すMOK Radio(2)

最初は番組前には「どんな曲をかけるか」ぐらいしか決めてなかったわけです。それであまりにもグダグダな番組になっちゃいまして。グダグダな番組がダメかというとそんなことないんですけど、俺らが面白くなかったんです。津田さんの奥様も交え、何度も企画会議を重ねました。番組を彩る、面白いコーナーがもっとたくさんあって良いのじゃないか、とか。いろんなコーナーがあったんですけど、実は「音楽配信講座」と題して津田さんが最新情報やIT関連ニュースについて語るコーナーが最も人気があったんじゃないかな? サイトのエントリを読むのと合わせることで理解が増す感じで。わかりやすいんですよ。何がって、聞き役の人が上手なんです。「ここはリスナーにとっちゃわかりづらいところでは?」「ここはもう少し詳しく聞きたいだろ」みたいに突っ込んでいく感じ。ま、その聞き役って俺ですけどね!!
「アナタにそっとラブレター」とか「タクヤのAll you need is love!」、笑わせることを目的としたコーナーもあったんです。それなりに人気もあったんですけど、やっぱり限界があった。何てことない、俺らがタレントでもお笑い芸人でもないっていう高い壁にぶち当たっちゃうわけです。笑ってくれるリスナーも居ましたけど、あれは「生放送のラジオという形式で、同じ時間を共有している」という感覚に相当助けられてる気がしますね。面白かったかどうかは、自分らが一番わかっているという。
当時は24時から3時までの3時間だったんですよね。3時間終えて、やれやれって一息ついて、今日はああだったこうだったって反省会してるうちに、主催者である津田さんがいたずらっ子みたいな笑顔でアンプのスイッチを入れて、第二部が始まるんですよね。「第二部とか長くやるとテンションも下がるし内容も薄まる、良くない」とか反省してるのに、やっぱり始まっちゃう。「第二部」という名前だけで、時間が遅いというだけで、本来リークしてはいけない情報だったり、ちょっと踏み込んだ悪口だったりが、何故か解禁ぽくなるのが可笑しかったですね。
Live365のシステムのおかげで洋楽は合法的に流せるわけですが、やっぱり日本の音楽も流したかったんですよね。マシーンが扱ってるのは邦楽だし。日本のミュージシャンのJASRAC登録がされていない楽曲の許諾をもらって、1曲流すごとにめちゃめちゃ感動してましたね。俺らエレキテルかけた、ズボンズかけた、って。bluebudge labelのヒグマさんのご好意で、スパゲッティ・バビューン!他の楽曲もかけさせてもらえるようになりました。ミッシェル・ガン・エレファントが解散した時、ひとしきり解散を偲ぶトークをした後「……ほんとはダメなんだけど……流しちゃおうか、今日だけ」「かけちゃおう、ミッシェル」とか言って、ミッシェルポルナレフの「シェリーに口づけ」を流したのも今となっては良い思い出です。
CCCD問題をネットラジオで最も言及してたのもうちだったんじゃないかな? CCCD問題についての話が聞きたくて初めてMOKを聞いたという人も多かったはず。「社会問題にも鋭く切り込む」みたいな鼻息の荒さもあったと思います正直な話。
笑わせる専用の面白コーナーがなかなかうまくいかなくて試行錯誤してました。そんな中「論破ルーム」なんてコーナーも始まったんですよね。2003年の秋から冬、2004年の初春の頃のことです。