水虫が完治した話

 四年前に水虫になって、三年前に完治しました。その後再発しないので、俺の対応方法は正しかったのだと判断してこれを書いています。今、似たような症状になった人の参考になりましたら幸いです。


 事の発端は市民プールでした。休日、子供を連れてプールに出かけた時の、ロッカー室のビチャビチャの床が良くなかったんだ、と思います。1週間以上経ってから、足が猛烈にかゆいなと職場で革靴を脱いで床に足をこすりつけたりしていたのですが、自宅で靴下を脱いでみたら、完全に水虫でした。

 両足、足の指の付け根が半端なくかゆい。指と指の間がふやけてただれており、透明な液体が噴き出してぐじゅぐじゅしています。手の指でかきむしると皮が破けてさらにただれて、「ああ、指に着いたこの液体で別の場所を触ってはならぬ」という強い禁忌が頭に巡ります。でも猛烈にかゆい。我慢できない圧倒的なかゆみ。夜中寝ている間に、知らず知らずにかきむしってしまったらしく、ふやけた場所は広がる一方でした。

 薬屋で水虫用の安い軟膏薬を買って塗ってもまったく効果がなかった。ネットで初めて見つけた水虫対策のページに「木酢液が良い」と書いてあったのでAmazonで買って吹き付けてみたら、効く効かない以前に強烈な燻製的な匂いで、これを漂わせながら職場でうろつけないなんつって諦めたりなんかしたわけですが、最終的には以下の対応によって完治させることができたのでご報告します。

  • ピーリングする

 とにかく自らの足の皮を剥いで、新しい皮膚にするしかない、と思いました。でもささくれを剥くのとは違うわけで、真皮の部分を力任せにはがすわけにはいきません。自分が使ったのは家庭用のクエン酸です。クエン酸を溶かした水に両足を漬けて、少しずつ足の皮をピーリングしました。毎日やることで足の裏の皮が少しずつ薄くなっていくのは、水虫の症状の出ていない、かかとの部分の白いカサカサがなくなって柔らかくなっていくことからも感じていました。

暮らしのクエン酸  330g

暮らしのクエン酸  330g

  • 発売日: 2012/11/13
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品

 クエン酸水に漬けるために、俺はお風呂ブーツを使用しました。お風呂掃除をする時に履く、あのプラスチックのサンダルです。ほぼ足と同じサイズに水が貯められるので便利でした。大きめの100円均一ショップで買いました。お風呂ブーツを使う前は、ポリエチレンの袋にクエン酸水を入れて足首を輪ゴムで留めたりしていたのですが、お風呂ブーツにたどり着いてからはそれ一本でした。テレビを見ながら毎日30分以上、抜けた日もありましたが半月程度は続けたと思います。

 その他に、クエン酸を濃い目に溶かした水をアトマイザーに入れて持ち歩き、出先でかゆくが強くなった時、あえてトイレの個室に入って患部に吹き付けました。猛烈な痛みとかゆみ! これ我慢するくらいなら爪でかきむしりたい! という欲望を抑えて耐え、紙で患部をぬぐいました。こちらも半月程度は続けたと思います。

  • 五本指靴下を履く

 こちらは、水虫が直った今も履き続けています。単純に気持ちがいいし、足が臭くなりにくいからです。五本指靴下の良さは、通気性です。足の指と指とが近い位置にあれば、そこが湿っていきます。靴下の木綿が湿気を吸ってくれるだけで、全然かゆみが違ったように思います。

 ちなみに、自分が水虫になって最も恐れたのは奥さんや子供に感染させてしまうことでした。ネットを調べると「水虫の菌ははがれた皮膚にも居座り、そこから感染する例が多数ある」とあったからです。風呂場のバスマットやお風呂ブーツを分けるのは当たり前、家の中では靴下を脱がず、できる限り頻度高く履き替えるようにしました。風呂場ではできる限りかかとで歩くようにしていました。まとわりついてくる子供に「お父さんの足に触るな!」と振り払い続けました。その甲斐あってか、家族に感染させずに済みました。本当は洗濯物も別にした方が良かったのかもしれませんが、その点については洗剤と日光の力を信じて家族の洗い物とまとめて洗濯機で洗っていました。隔離するのはしのびないと、奥さんがあわれんでくれていたのかもしれません(笑)。

  • ピロエースZクリームを塗る

 最初に買った軟膏は全く効き目がなかったのであっという間に捨ててしまった為、銘柄すら覚えていません。検索してみると、現在市販されている水虫薬の中には、もともと皮膚科などで処方されていたものが一般販売されているものが複数あることがわかりました。平たく言うとそれは値段の高い部類の薬で、だいたい1パッケージ1500円以上のものがほとんどでした。そんな中で自分が選んだのはピロエースZクリームでした。

 患部はもちろん、足のすべての指の間にピロエースZクリームを塗りこみます。最初の半月は指の間以外にも足の裏から指の上面まで全てに塗り込みました。ここをケチったらおしまいだと思いました。1500円は安くありませんでしたが、水虫のかゆみが続くより全然ましだからです。

 ピロエースZクリームについては、患部がよくなってかゆみがなくなっても、親の仇と言わんばかりの勢いで毎日毎日塗り続けました。1年程度、毎晩寝る前に塗っていたと思います。とは言っても塗る場所は足の指の間だけでしたから、使い切るまで塗り続けたのは4本だったと思います。「絶対に再発させない」と決めていたので、かゆみがなくなってもそれに甘んじずに根気よく塗り続けました。

 一点思い出しましたが、風呂で足を洗う時にはブテナロック足洗いソープを使っていました。効果はよくわからないのですが、風呂に入っている時にこれを見ると「そうそう、念入りに足を洗わなくては」と思い出すことができました。こちらも使い切るまで使用を続けました。

ブテナロック 足洗いソープ 80g (医薬部外品)

ブテナロック 足洗いソープ 80g (医薬部外品)

  • 発売日: 2011/01/13
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品


 
 こうして俺は、水虫を完治させることができました。再発していないのだから完治と呼んでいいでしょう。思えば子供の頃、父親から「水虫を治せる薬を作れたらノーベル賞もんだ」と繰り返し聞かされていました。たぶん実はその時にすでに、水虫を治す薬はあったのだと思います。父親は、塗ったその瞬間に一発で治す薬を求めていたのだろうと思います。俺は一発を求めず、「時間がかかるのだから絶対に諦めず、本当に治ったと言える日まで続ける」と誓い、それが実行できたから現在の成功があるのだと思います。

 関係ないかもしれませんが、時を同じくして職場でも認められ昇進し、多くのメンバーをまかされて決裁権の額も上がりました。それもこれも、水虫を絶対に治すぞという強い信念で、精神が鍛練されたおかげなのだと確信しています。

 集中的にピーリングして、薬を塗り続ける。五本指靴下を履く。ぜひお試しください。

 以上、水虫に悩んでいるあなたの選択の一助になりましたら幸いです。長文お読みいただきましてありがとうございました。