松本論と木村カエラ

雑誌BRUTUSの特集が「大松本論」だったので気が向いて買ってみた。BRUTUSってどんな男性が買ってる雑誌? とりあえず表紙の一等はじめに書いてある「一冊まるごと松本人志」は大嘘だった。最初ッから大嘘。「松本人志のことが気になる著名人40名がそれぞれ一つずつ質問する」という企画があって、木村カエラが参加していた。

Q.どの地方のキャバクラが好きですか? ←木村カエラ
A.(笑)。ボクは、そういうイメージなんですかね? 実は数えるぐらいしか行ったことないんですよ。5回ないくらい。女の子が順繰り変わっていくでしょ。そして、同じ質問ばっかりで面倒くさいんですよ。「なんで、坊主なんですか?」とか「普段、浜田さんとは遊ばないんですか?」とか「休みの日、何しているんですか?」とか。あえて答えるなら、どこの地方のキャバクラも嫌いですね。(松本人志

他の39名の質問と比べても、木村カエラが全く的外れな質問をしていて、しかもあっさりあしらわれているのを確認して、なんとなく気分が良くなってしまった。それは俺が彼女の既発の作品の中に気に入ったものがないとか、彼女の経歴にある種のサブカル感があって苦手意識があるとか、発言やしゃべり方に魅力を感じないとか、単純に見た目が好みでないとか、そういう理由が半分くらいある。残り半分は、相手にたった一つの質問しかできない時にあえてキャバクラの趣味を尋ねてくる感じ、しかもキャバクラの傾向を(女性の傾向とも言えるかもしれない)を地方なんていう大雑把なくくりで判断して片付けさせようとする感覚に抵抗があった、ってことかもしれない。地方の傾向をキャバクラの経験で語るような男って……どーなのよ。ぶっちゃけ「くだらねー質問しやがって、ざまあみろ」ぐらい思った。
で、他のほとんど質問者が、松本人志をお笑いの天才であることを前提にしたナルホドと思わせる質問をしていて、それが何というか「得体の知れない怪物の中身を垣間見ようとする趣向をこらした質問」ばかりに感じられて、むしろ木村カエラの肩の力の抜けた、必要以上に相手を特別扱いしない質問が突出しているように見えてきて、もしかして的外れなのは俺なのかもしれない、とちょうど今、思っているところです。