待ち伏せ警察官

国道沿い、踏み切りをちょっと過ぎたあたりに警察官が立っている。「踏み切りを一時停止せずに渡る自動車」を待ち伏せているのだ。
踏み切りを過ぎた場所でなく踏み切りの手前に立っていれば、自動車のドライバーも警察官の姿を見て気をつけよう、という気になるだろう。気をつけて走るから安全運転になって周囲に安全と幸せが生まれる(先日のさまぁ〜ず×さまぁ〜ずで三村がそんなことを言っていた)。だが踏み切りを過ぎた場所で警察官が待ち伏せをすることにもメリットがある。そういう場所で待ち伏せしている警察官の存在を一度でも認知すれば、今後「また立っているかもしれない」と恐れることになり、結果的に安全運転しようという気持ちになるドライバーも多いだろうからだ。未来の抑止力である。捕まったドライバーは「こんなところに隠れていやがって!」と怒り、負の感情を禁じえないだろう。でも、自動車の運転において「○○かもしれない」という考え方を前提に持つことはたいへん理想的なのだ。そりゃまぁ、待ち伏せされたらフツーにムカつくけどね。


国道沿いでぼんやり(結構長い間)眺めていたわけだが、今日はちっとも「踏み切りを一時停止せずに渡る自動車」が現れなかった。待ち伏せしていた警察官は結果的に、ただ立っているのと変わらなかったと言えるだろう。だってドライバーから見えづらい位置に立っているんだから、未来の抑止力にすらなっていない。でもその警察官はきっとすがすがしい良い気分に違いない。待ち伏せが無駄に終わるほど、この街のドライバーはマナー良く、ルールを守っているのだ。彼は「畜生、今日は収穫が少なかった」「点数稼げなかった」なんて微塵も思っていない。彼は交通安全の為に、事故のない平和な日本の為に、そんな崇高な気持ちで待ち伏せしているのだから。


あるいは命令されたから命令された場所でただつっ立ってたか、どっちかだ。