高野健一

「♪さくらさくら会いたいよ〜」っていう高野健一って人の「さくら」って曲が嫌いで、しかも「原作の小説の感動を伝えたい」とかいう理由が発端で、しかも「さくら」ってタイトルでシングル切りゃ売れるし話題にもなるだろうみたいなタイミングの売らんかな精神がみえみえで……みたいなところを根拠にして嫌いなんだけど、こうやって書き出してみるとどう見ても言いがかりで何だか凹んでしまった。シチュエーションはちょっとあざといくらいの方が、たくさんの人々の心をとらえることができるし、多くの商業作品はそれを目標としているし、そういった感動を与える小説、映画、音楽といったさまざまなものが人の心を豊かにしているし、この曲もそんな中の一つだ──と考えたら完全な言いがかりだ。でも嫌いなんだ、あざとい感じが。たくさんのピュアな人がこの曲の表現する悲しみや愛に感動しているのが、何だかイヤなんだ。泣ける映画と同じはずなのに。
そんでこの人のアルバムを友人が絶賛してるのを見てまた凹む。本気で褒めてるんじゃなくて大人の事情だったら良いな、とか思う。でもアルバムを聞いてないからわかんない、本当に良いのかもしれない。でも買わない。感動するのがイヤなんだ。