半裸で仁王立ち

そういえば子供の頃、親父は風呂あがり、腰にタオルを巻いただけの状態で窓を開け、縁側に出て夜風にあたっていた。自分ットコの敷地内とはいえ、外界に向けて半裸だ。「湯船に充分浸かった後こうして風に当たるのは気持ちがいいし、体の表面を早く冷まして毛穴を閉じさせることで、長くあたたまった身体で居られるのだ」とか言っていた。この「毛穴を閉じさせ保温理論」が、科学的根拠に基づいた正しい知識なのかどうかはわからない。目を閉じると今も、縁側で腰に手を当てて仁王立ちになっている半裸の親父が浮かんでくる。……って親父まだ生きてるけど(笑)。
あ、変なことに気がついた。俺、岡村靖幸が歌うところの「ベランダ立って胸を張れ」って歌詞、勝手に半裸をイメージしてた。ベランダで紫色のブーメラン一丁で風に当たる岡村靖幸の姿を、勝手に思い浮かべてた。これもきっと、風呂あがりの親父の記憶の影響に他ならないのだ。