電子書籍ってどんな匂い?

たいした結論があるわけでもないことを書きます。

こないだテレビで年寄りが「電子書籍が増えて本が無くなってしまうのは文化的な損失だ」とか嘆いてたのね。俺は本が無くなるなんてちっとも思わないけれども、電子書籍が本みたいにフランクな付き合い方ができるくらいまで発展したら、自分チにある本をほとんど全部、電子書籍にしてやっていいと思ってる。だって電子書籍の方が絶対便利だもん。エコだしね。

重み、紙の質感や手触り、表紙のデザインや帯の装丁、古さや汚れ具合、続刊やシリーズとの類似性や違いだのなんだのみたいなものに文化を感じることはできるけれども、それは全ての古物・骨董品に言えることだもんね。自分の部屋の本棚に物理的に鎮座する本に愛情がわくってのはたしかにある。背表紙が壮観に並ぶ様を見てるのはとっても良い気分なものだけども……やっぱり場所取るよなぁ。電子書籍のデータがマイドキュメントの中にずらりと並んでいることで所有欲が満たされる人ってのは少ない気がするから、書籍のコレクターってのはこれからどんどん減る一方なんだろうね。

思えば本って、スキャンしてテキストデータに変換するっていう物理的作業が大きいっていう理由で、インターネット上に違法に流出することの少なかった媒体だよね。これで電子書籍化が進んだら、小説やエッセイもタダで読んで当たり前の時代になるのかな? ……昔も今も図書館ってあるけどな。音楽配信が盛り上がりつつある数年前、「レコードやCDを所有する喜びってものがあるだろう!」って俺を含めた多くの音楽ファンが言ってたけど、今はどうかなあ? CDをデータ化して、売っちゃってる人も多いしね。売らないまでも、CDが物理的に回転するのはデータ化させる瞬間の1回だけって人も多いんじゃないかな? 音楽が既にそんな感じで、順番が本にまわってきたってことかなぁ。

とりあえず2010年初夏の俺はiPadだかKindleだかに飛びつく予定はないけれども、電子書籍の進化はとてもとても楽しみにしてます。ぶっちゃけネットばっかりやって本を読む数が減っているので、電子書籍で便利になったらもっともっと本を読みたいな。

あと、数年前に友人が単著を出した時のAmazonレビューで、内容をひとしきり褒めてから、「あと、インクのにおいがいいにおい」って書いて締めた俺は我ながらエライと思ってます、今ごろ。