実験4号が思い返すMOK Radio(5)

システムとしては完成したので、その後のMOK Radioにおいて大きな改革というのは特に無いんですね。一時期、いや結構長い間、ワンクリックで聞く為のサーバーが故障したままで対応できず、URLを入力欄に入れてもらう手間をリスナーにお願いしていた時期がありましたけど。人間ってのはものぐさなもので、「ワンクリックでは聴けない」というだけでリスナー数が大きく減っちゃうんですよね。それが顕著で驚いたものでした。
音楽好きな人がリスナーの大半でしたから、日本の音楽シーンを語る場面はやっぱり反応が良かったですね。音楽に詳しくて人気もある人がゲストに出ると盛り上がりました。俺も貴重な話が聴けて楽しかったし。MOK Radioのおかげで交流関係が広がりました。それは本当に感謝しています。
レコードやのアイドルな日々のraffineさんやWaste of Pops 80s-90sのO.D.A.さん、とみぃの宮殿(当時)のとみぃさん、日々の凧あげ通信の大塚幸代さん、Rock.jpのモーリさんらが遊びに来た新年会スペシャルでは、お一人ずつスタジオに招いて色んな話をお伺いしました。「教科書に載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」発売記念の回では、ばるぼらさんモーリさんに加え、日々ノ日キの吉田アミさん、さやわかさん、Rickdomのtagさんらが集合した時は、皆が勝手に(しかも聞き逃すには惜しい貴重な)発言を繰り返す中、誰がしゃべっているのかわからなくならないよう名前を明確にしつつ話題を整理する、という役割を俺が買って出たものです。あの時は俺、我ながら大活躍だった気がするんだけどな。俺のMOK Radio人生の中でもベスト3に挙げられる「実験が居て意味があった瞬間」だったと思ってます。「実験メソッド」という言葉のその頃授かりました(笑)。
MOK Radioでイベントを。公開録音スペシャルを」という企画は常にあったんですが、結局実現しなかったなぁ。その代わりといっては何ですが、クラブイベント「Teenage of the year」とのコラボレーション企画は実現しました。パーソナリティーが交代でDJとして参加させてもらいつつ、そのクラブイベントの会場からネットラジオを生中継という前代未聞のこともやってのけました。しかもその時のMOK Radioのゲスト、萩原健太さんと黒沢健一さんですからね! あれは凄いよなぁ。MOKに参加してなかったら、俺一人の人生では絶対にありえない瞬間でした。こうして書き出してみても、すごいメンツに彩られてますよね、MOK Radio
この頃の人気コーナーに「MOKストリート」があります。人気って言っても、主に「俺に」なんですけど。大卒の三人がテーマについて英語のみで会話するわけですが、そのしゃべれなさっぷりと言ったら! 義務教育課程から丸10年間やってきた英語なんて、こういう時に全く役に立ちません! ……俺らだけか。とにかく、自らのダメっぷりが可笑しくて、俺としては最も好きなコーナーだったかもしれません。音楽にもラジオにもあんまり関係ないんですけどね。楽しかったなぁ。2005年の秋ぐらいまでのことです。