ムシの話

子供の頃、昆虫って格好良かったと思うんです。俺も昆虫大好きでした。

幼稚園の頃、先生が園児たちに向かって「好きなムシの名前をひとりひとつずつ言っていこう」ってお題を出した時は考えましたよ。やっぱり格好いい昆虫の名前を言いたい。でもクワガタムシやカブトムシはすぐに誰かが自分より先に挙げてしまう。その時幼少の俺が照準セットしたのはカマキリでした。両手が武器(鎌)になっているなんて超かっこいい! しかもカブトムシとかよりもシャープでスピーディーな、暗殺者っぽい印象。カマキリに決めた! 皆が順に発表していって、先生が「それはさっき○○ちゃんが言ったね〜、他には?」とか相槌を打ったりして、いよいよ俺の番となった時! 俺は盛大に噛んだ! 噛んで俺は「カ、カミキリ!」と言ってしまった! 当時俺はカミキリムシを知りませんでした。先生が何事もなかったように「カミキリね〜、じゃあ次○○くん」とスルーした時はあっけにとられたものです。

子供の頃は昆虫大好きだったのに……年を取るごとにムシ全般が苦手になっていった俺。今ではもう、どんなムシも全般的に苦手で(若い人たちの言葉を借りれば「ムリ」で)、ペットショップで売ってる大量のコオロギを見て卒倒しそうになるありさま。ガクブルです。

特に家庭に現れる、Gで始まるあのムシ……GKBRは、本当に心から苦手なんです……。40男ですが、こんな男だって居ますよね……そんなに珍しくないですよね……。

ある日twitterで、友人がこんな有益っぽい情報をつぶやいているのを見たんです。
「冬の最も寒い日に窓を開け、換気扇を回して3時間、できれば一晩中放置するだけでゴキブリは発生しなくなる。理由は寒さでゴキブリの卵が死滅するから。ゴキブリはダメになった卵を見るとここに住むと死ぬと判断して他に行く」
本当に? 本当にそんなに簡単なの? たしかに寒い土地にはゴキブリは居ないという噂。しかも奴等の知能は異常に高いみたいな話も聞くので「ここには住むべきではないと判断する」ってのもなんだかありえそう。信じちゃっても……いいのかも?

だったらこの冬、試してみるか。寒くする為には全ての電化製品の電源を落とすと良いだろう。窓を開けたままどっかに出かけて帰ってきたらそこは安全地帯。……いや、高層マンションでもあるまいし、窓開けて出かけたら防犯面に不安があるか。では窓を開けて一晩中寒い部屋で過ごすか。部屋の真ん中に寝袋にくるまって。……待てよ? もしもその寒さに気づいた台所のゴキブリが、暖かい場所を求めて俺の寝袋に寄って来たらどうしよう……。

そんなことを考えてるうちにふと気が付く。「寒さで死んだゴキブリの卵」がもしも売られていたら、それ買ってきて部屋に置くだけで寄り付かなくなるってこと? 本当に? そんな簡単に? ……なんだか信じられない。やっぱりこの噂、マユツバモノなのかもしれない。だめか……。

暖かくなったらまたGKBRの季節がやってくる。今年もいろんな対策品を購入して、震えながら迎え撃つしかない。でも本当に怖い。ガクブルですよガクブル。今年もまた、GKBRにGKBR状態です。

「情報の呼吸法」を読んで、そんで自分のことを考える

津田大介著「情報の呼吸法」を読みました。

情報の呼吸法 (アイデアインク)

情報の呼吸法 (アイデアインク)

165ページ、一気に読めました。この本を読んでみたいと思う人の多くにとって、理解しづらいと引っかかってしまうようなところはないんじゃないかしらと勝手に想像してしまうぐらい、平易で優しさのある文章でした。10年近く前から津田さんのファンをやってる俺にとっては、素直に頷きながら、「こういうところが嫌だなぁ、自分の考えと違うなぁ」という部分が数箇所しかない感じで気分よく読み終えることができました。本のちょうど真ん中あたりで出てくる「人生で大切なことは、全部エゴサーチで学んだという感じですね」という文章を読んで、本当に津田さんらしいなと思いました。「〜感じですね」と締めて濁しているから許されますが、本来なら「ご両親に謝りなさいよ」って言っちゃうところです。他から学んだ大切なことたくさんあると思いますよ。
本の内容は一言で書けば「情報の呼吸法」ではなくて「津田大介の作り方」というように読み取りました。津田さんのように誰にも似たくない・どこにも属さないのフリーなスタンスで、端末の前で情報のインプットアウトプットに向き合って、たくさんの情報とコミュニケーションをとりながら、それによって飯を食って行きたいと思ってる人には、とても参考になるのではないでしょうか。また、津田さんはやっぱり一貫して「ジャーナリスト」としか呼びようがないようにも思いました。いつもとても中立な立場で、時にはこちらが「無神経ギリギリのラインだな」と心配になっちゃうぐらいの図太さで、みんなだまされがちだけどこういう方法もある、こうやれば偏った損得なしでうまくやれる、という情報を発信してきた人です。そんな人に私はなりたい、と思ってる人にとってはまさに教科書だと思いました。
本の内容と自分とを比較して見ると、同意できるところがたくさんあるのにもかかわらず情報の扱い方には大きな隔たりがあるのがわかりました。それこそ社畜なんて呼ばれ方をしてもおかしくないぐらい会社都合に準じてサラリーマンをやっている俺にとっては、twitterなんて通勤中の電車の中でチラ見する以上に時間取れないし、「有益な情報を発信することで自分にも有益な情報が返ってくる」みたいな態度でツイートすることはないし、日々の自分の業務に関わる人以外とtwitterで出会って自分の幅を広げたい……みたいなことってなかなか、いや全く考えられないし、というのが現実ですから。自分の仕事を終わらせてできることなら定時に近い時間に帰ろうと頑張るのがやっと、明日の自分の為にプラスアルファで、ぐっと堪えて言われてないけどやった方が自分がもっと面白がれると思える仕事をほんの少しでもやって帰る……みたいなことが精一杯です。パソコンにいつもtwitterクライアントを立ち上げて、フローしていく情報一つ一つに入り込むわけでもなくぼんやり眺めていて、その中にキラリと光る自分にとっての有益な何かと出会える環境を整えておくなんて無理。フローではなくストックされたものをGoogle検索して、一刻も早く、まとまった有益な情報を手に入れようとやっきになるばかりです(そんな時に毎日コミュニケーションズ刊の「ググる」という本のテクニックはたいへん役に立ちます)。「この件は本日スタートだけど、エンドユーザーの反応はどうだろう」と思ったら真っ先にtwitter検索を行ないますが、それ以外では仕事でtwitterと付き合うのは難しいというのが、サラリーマンをやっている自分の正直な感想です。そして「仕事以外で」としてしまったら、もう後は本当に、自分の趣味に関わる同好の士のつぶやきを見てにんまり楽しむ、ぐらいのものなんです。
この本による「津田大介の作り方」を読んで、大好きな津田さんになりたいかと言うと、やっぱりそうでもないな、と思うんですよね。同じ生き方をしたいわけじゃない。俺は会社に属して、15年以上もプロパーで働いてもペーペーで、正直俺以外の誰であっても間違いなく替えの利く仕事しかしてこなかったかもしれないけど、価値がなかったわけでもない、と信じてる。そりゃあ自分では「自分じゃなきゃダメだから頑張るんだ」と思って頑張ってるわけですが、実際には会社にとっては絶対そんなことないってわかってて、文字通り歯車なわけですけれども、全然恥ずかしいと思わないし、むしろ俺の方が正しいんだって自信もあります。「○○は俺がやった」って言って他人にわかってもらえるものがなかったとしても恥じることは何もない。そんな俺なので情報との付き合い方についても、この「情報の呼吸法」に載っている考え方はたくさん納得できるものだけれども、真似するかって言ったらしないなぁというのが俺の感想でした。
そんで今後の俺が今後もやっていきたいと思っていることは、じゃあこの本で書かれていることと正反対かというかとそこまででもなくて、「ソーシャルキャピタルとかウッフィーとかって言葉に惑わされ過ぎず、インターネット経由に関わらず、自分の身の丈・手が届く範囲内の人たちに信頼してもらって、『実験40号と仲間でいるのは悪くない』と思ってもらえるような発言を、ちゃんと考えてひとつひとつ発していきたい」ってことです。もうひとつもう少し具体的に言えば、更新頻度も下がっちゃったこのブログも含めて、誰かが何かの情報を求めてGoogle検索して、俺のエントリにぶつかった時に「ふーん(辿り着いた文章はゴミじゃなかった)」って思ってもらえる文章を、年間に何本でもいいからストックしていきたいな、ということです。
俺にとっての心地よいスピードで、情報を発信すること(インターネット上に自分の発したもののログを積み上げていくこと)を楽しんで行きたいと思っています。フローして消えちゃう情報ってのはネットラジオで発散するってのもいいですね!

THE MANZAI 2011を観た

http://www.themanzai.com/
ここ数年M-1グランプリをリアルタイムで観ながら更新してきたんですが、今年は録画して観る方式に変更しました。最大の理由は「4時間は長い」ってことなんですが、一生懸命更新しながら観るより、録画したものをまるっと観る方が楽しかったです(笑)。以下、一応忘れないうちに感想を。

囲碁将棋

知ったような口をきいて申し訳ないのですが、やっぱり魑魅魍魎の集まる大会で、こういう芸風の人が優勝まで行くってのは難しいかなと思いました。根建さんのつっこむ声がキャイーン天野そっくり。

チキチキジョニー

俺はこういうのは毒舌ではなくて悪口だと思います。この人たちが売れて、悪口言った対象の人たちと競演した時に、他のお笑いの人からやいのやいの言われてペコペコ謝ったり一切しなかったら、その時に俺が謝りたいです。悪口の内容以外で笑えなかった。

ナイツ

やっぱすげえ。何度も観たことあるネタなのにやっぱりすげえ。手数の多さが話題になってて、こういう大会では手数が多い方が有利ってわかってるのに、それをやってくる漫才師は少ない。「てめえらの芸風でトップを取る」ってのにこだわるのはかまわないけど、絶対的に有利ってわかってる戦法(この場合「手数」)を一部的にでも取り入れるってことをしないで、ただマイウェイを貫くってのいうのは、まあかまわないし美しいけど、やっぱり優勝からは遠ざかるよねと思います。昔に比べて現在は情報の速さ濃さが求められてて、大会みたいな場ではそれが顕著。でもそれはやりたくない、自分らを曲げずに優勝もしたいってのは、まあ気の遠くなる話だなぁと思います。芸風がどうであろうと部分的にでも手数を重ねて「息吸えなくなるくらい笑った!」って印象を持たせる努力をした方がいいコンビは多い……とナイツのネタを観て思いました。決勝トーナメントのネタは、なんつーか「2010年に求められてる最大レベルの不謹慎さ」でしたね。去年のIPPONグランプリにおける有吉の「今でも野球賭博やってる」を思い出しました。ダウンタウンがごっつをやってる頃って、いかに気違いをお茶の間にさらすかっていう「不謹慎さの挑戦」だったと思いますが、気づいてみると2011年、テレビで不謹慎なことを言う人は本当に少ない。塙さんはのりPの前でも「ヒロイン」ぐらいは言いそうで怖い。

磁石

優勝候補だと思ってたんですがナイツに屈した、って感じでしょうか。全然悪くなかったと思います。こういう晴れ舞台で「ちょうど?」を期待してしまった俺がいる。

Hi-Hi

上田さんのテキトーっぷりがあべこうじそっくり。ネタの展開にブラックマヨネーズアンタッチャブルにそっくりな点もたくさんあって、良いところ吸収して自分たちのものにして、練習し尽して来てるんだろうな、って感じました。面白かったです。決勝トーナメントの最中の「お前の18年間を放り込んで来い」の時って、岩崎さんが飛んでただけ、のように見えたんですが……。いずれにせよ、M-1で言うところの「今年の準優勝枠」ってやつで、来年はそれなりに仕事が増えるんじゃないでしょうか。

テンダラー

あのテンドンが刺さった人には高評価だろうし、刺さらなかった人は置いてきぼり……ってまあ当たり前なんですけど。正直、形式としては古いなと思いました。

スリムクラブ

去年の衝撃に比べるとちょっとわかりやすくなってるし、間の取り方もこっちが心配するほどは空けなくなってました。これで2012年、カルト宗教によるテロ事件とか起こってしまうと、2010年に「この世で一番強いものは放射能」と言ったのとセットにして、真栄田さんが平成の預言者みたいになっちゃうなぁとか思いました。あ、来年ナイツがテレビ業界を席巻してもそれはテロではありません。当たり前。

ハマカーン

いつも通りだったような気がするし、こういう大会に出てきてスポットが当たったら飛び出すような気がしてて、優勝候補と思ってたんですが、イマイチでしたね……。何がいけなかったのかわからない。

学天即

晴れ舞台の場に持ってくるネタじゃなかったかな、と思います。

博多華丸・大吉

実は俺が今回もっとも笑ったネタでした。華丸さんのあの表情と絶妙のタイミングの「かんぱーい」に息が吸えないほど笑った! 今回のベストアクトです。「かんぱーい」直前までのグダグダ感と「今?」ってタイミングが本当に最高でした。THE MANZAIが続くなら、二人みたいな中堅〜ベテランに決勝の舞台に上がって欲しい。冠番組持ってるようなベテランが下から挑戦して決勝に出てきたら、素直にかっこいいもの。「俺たちの本領はバラエティのMCではなく、ネタ」とか言って年数回のソロ公演+DVD販売にもっとも力を入れてますみたいなスタンスの芸人には、こういう他流試合にチャレンジして欲しいですね。

アルコ&ピース

本当にこのネタで優勝できると思ったのかな? 歌ネタはM-1でも常に不発だったのわかってるはずだし、他のこといっぱいできるふたりなのに。「ネットで叩かれるんだよ」って言ってたけど、叩かれるレベルに言ってなかったと思います。テンポも悪かった。

パンクブーブー

最初のネタはM-1で散々やってるパターン……なんて名前で呼ばれてるのかわかりませんが、観客の頭に浮かんでる常套句をことごとくはずそうとするパターン……から、もう一歩踏み込んだネタでしたね。俺的には博多華丸・大吉の方が面白かった。決勝トーナメントでのネタは、(たぶん)昔からがやってた(たぶん)彼らにとっての最も完成しつくしたネタで、それが最高に面白かった! 観終わった後、超レベルの高かった決勝トーナメントにおいても彼らが優勝だと素直に思いましたよ。

エルシャラカーニ

たまたま俺が、何度も何度も観たネタだったため新鮮さに欠けて笑えませんでした。当初は「本当に馬鹿の人なんじゃないか」と思ってみてましたが、本当によく練習して出てきてるって印象です。

千鳥

ハスに構えず、もっとも一般人に笑ってもらえるネタを選んできたなぁと素直に嬉しくなりました。大悟さんの「俺ってかしこいでしょ(ついてこられる奴だけついてこい)」的な印象の全くない、俺らみたいな一般人に笑ってもらえるところまで自分を下げて、へりくだることができたネタだったと思います。素直に面白かった。岡村の言うとおり、決勝トーナメントでは完全にハクベイを待ってました(笑)。

ウーマンラッシュアワー

早口で圧倒するっていう方法はあると思うんですが、それって「聞き取れた」と「納得(面白い!)」までに時間がかからないジャンルのネタに限定すると思うんですよね。俺の頭の回転の問題かと思うんですが、やっぱり早口を理解するのに気をとられてしまって、理解したものが「まあ、あるある」的な自分の経験に裏打ちして納得レベルの面白さだと、「追いついた→納得」で終わっちゃうんだなぁと思いました。

銀シャリ

面白かったけど、歌ネタはどうしても間延びしますね。あのネタで「爆笑に次ぐ爆笑、そんで優勝」は無理でしょ。去年のカナリア……もったいなかったなぁ……。


正直なところ、昨年一昨年ぐらいのM-1グランプリよりも全然面白かった。決勝トーナメント4本のレベルの高さは間違いなかったと思います。審査員については「ああ、松本の代わりのつもりで高須を呼んだのかな?」とか「この人は吉本一色ってイメージを払拭させる為に呼ばれた人かな」とか考えることもありましたが、人選としてはイヤじゃなかったです。国民ワラテンって方式もすごく良かったと思う(俺は録画で観てたんでやりませんでしたが)。プロデューサーの片岡飛鳥らしい「めちゃイケ的生放送の展開」は正直またかよと思ったものの、全体に水をかけるというほどでもなかった。個人的には紳助が大嫌いだったので、ネタが終わるたびに番組全体が「紳助さんは何ておっしゃるんだろう?」って確認する作りになってなくて、それも物凄く良かった。引退してくれて良かった。総じて大満足の、笑って笑って過ごした4時間でした。面白かったです。
もちろん来年以降も続きますよね? 楽しみにしています。あと、パンクブーブー冠番組は普通のふわっとしたバラエティ番組をやっても評価されないと思うので、今売れてる漫才師のネタを死ぬほど突き詰めるみたいなストイックな番組をやったらどうかと思いました。

改名しました

このユルス、半年近く放置してしまいましたが私は元気です。そしてこの10月から実験40号に改名いたしました。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。twitterアカウントは変わらずdk4です。

シャンプーをお風呂の洗剤の代わりに使う

風呂場、特にバスタブを洗う為に使っていた、スプレーボトルの黄色い洗剤がなくなった。買い置きがなかったのでどうしようかとしばらく途方に暮れていたが(すみませんこれは大げさでした)、ふと気がついてシャンプーを手に取り、スポンジにつけてバスタブを洗った。
シャンプーをお風呂の洗剤の代わりに使う、ということがオススメできない事実だと論破されたい。でも自分で自分を論破できない。
当初は乾いた後にバスタブに白くシャンプーが残ってしまうんじゃないかという印象があったのだがそんなことない。というか洗剤が残ってしまうという感覚で言えば、人体に影響がありそうなのはシャンプーじゃなくて風呂用洗剤の方だ。どちらかひとつ、原液を肌につけて放置しなきゃなんないとしたら絶対にシャンプーを選ぶ。っていうかどっちも多分、成分としては大して変わらないんじゃないか(界面活性剤、でしたっけ?)。むしろシャンプーの方が泡切れが良かったような気がする。
だが俺は、詰め替え用の黄色い洗剤を買ってきて補充した。シャンプーでバスタブを洗うのに違和感があるからだ。誰か俺を論破してくれ。論破してください。

2011年にiTunesの曲を1曲オススメするということ

友達がね、こんなことツイートしてたの。
「この曲最高だから聞いておけ、って曲を1曲教えてください。iTunesの1曲無料ダウンロード権を忘れないうちに使ってしまいたいのです」
そんなこと言われたら自分のオススメ伝えたいじゃない? 考えたわけですよ。考えたんですけど……出てこない。いや、好きな曲はいっぱい出てくるんですけど、この1曲ってのがなかなか決められないんです。
たとえば俺の最も好きなJ-POP3曲のうちの1曲、RCサクセションの「冷たくした訳は」をオススメすることは簡単なんだけど、自分にとっての好き過ぎる曲をオススメするのが正しいのかな、とか思っちゃうんです。オススメして「イマイチでした」って言われるのは別に平気なんだけど、相手としては「イマイチでした」って言いづらいんじゃないの、みたいな。
たとえばiTunesで過去に自分が買った曲を思い返してみて、CCCDだったばかりに発売当時音源買えなくてiTunes日本上陸後に購入した、Heartsdalesの「CANDY POP feat.SOUL'd OUT」ならどうだろうなんて思ったんだけど、よく考えたら今さらHeartsdalesってこともないんじゃないの、みたいな。
たとえば昨年2010年の俺にとってのベストワン曲であるところのBerryz工房の「君の友達」をオススメして、そんで「この曲についての俺の気持ちを書いたのがこのエントリです!」ってURLを教えて、そんで……それはただ気持ち悪いだけなんじゃないか、みたいな。
っていうか「1曲って!」ってところにぶつかっちゃうんです。これが10曲ぐらい、カセットテープ作る気持ちで選んでいくならある意味逃げ場もあるんだろうけど、1曲だけとなったらそうはいかない。どうしてもそこで「なぜその曲だったか」ってところに行き着いちゃう。数多ある楽曲を排して何故ゆえにお前はその曲「だけ」を選んだかっていう命題から逃れられなくなっちゃう。
もう一個。1曲200円とかするわけでしょ、iTunesの曲。まがりなりにもお金(とほぼ同義の権利)を使わせるわけじゃないですか。それは繰り返し聞いてもらわないと意味がない。だって──1回聞いて終わりでいい曲ならYouTubeのURL貼り付ければ済む話ですもの。
……これって結構見逃せない問題だな、って思って。アルバム単位で音楽を聴くというスタイルから曲単位で聴くっていうスタイルにほぼ移行しちゃってる2011年において、その1曲をプレゼントするという行為の前には、YouTubeっていう名のあまりにも素晴らし過ぎる、グレーゾーンの便利ツールが立ちはだかってしまうんですよね。手元に残るCDではない時点で「この曲ならYouTubeで十分だったな」って思わせない何かが欲しい、って思っちゃうわけですよ。
そんで、結局、考え抜いた結果俺の出した結論は……田辺マモルの「ハワイの詩」でした。理由は「曲が長くてYouTubeの制限10分に収まらないから!」。最後まで聞くためにはちゃんとした曲を手にするしかない! これだ! 間違いない! 俺かしこい! バッチリ! そう思ってましたよ、iTunesで検索して「ハワイの詩」なんか売っちゃいないってことを知るまではね。
結局俺は友人のツイートを無視したまま現在にいたるわけで。
無視っていうか、まあ無視か。
なんつーの、それだけ俺がその友人のこと好きで真面目に考えてるってことよ。あるいは、どんだけその友人に俺が良く思われたいか、カッコイイトコ見せたいと思ってるか、ってこともあるね。

この企画誰かもらってください

裸の映るテレビドラマ。

最近のテレビには裸が、女の人のおっぱいが足りないですよね。それを増やして、しかも誰もが幸せになれる方法を考えました!

基本的に、男だけでなく女性だって、「あの有名人が脱いだ!」ってことになれば見てみたいと思うはずなんです。そこに見たことのない裸があるなら一応確認しておきたい。エッチな妄想とか抜きにして、単純に興味があるのは間違いないと思います。男も女も。でも教育委員会が、口うるさい年寄りたちのクレームを考えるとなかなかテレビにおっぱいを出させるわけにはいかないのが2011年。

そこで俺はこんなテレビドラマを考えました。毎週毎週、ちょっと落ち目になったアイドルや女性タレントが単発ゲストで出演して、初ヌードを披露するドラマです。

主人公はカメラマンでありアーティストの女性です。彼女は世界の名画を写真で再現する、という芸術で世界各国から高い評価を得ています。特に裸婦の登場する絵画の再現には定評があります。彼女はいつも、創作意欲をかきたてられる女性モデルとの出会いを求めています。

そんな彼女に出会うモデルの役は、ゲストとして出演する人気が最近ちょっと翳りぎみの女性タレントです。ゲストはそれぞれ何らかの問題を抱えて主人公と出会い、とまどいながらもモデル役を引き受けます。主人公はゲストを脱がせて世界の名画を再現させ、また新しい作品を上梓します。世界の名画がモチーフとなってるわけですから教育委員会も文句は言えません。芸術ですから。「脱ぐ意味・脱ぐ根拠」があります。

しかも名物シーンはここからです。クライマックスとして「ゲストが仲良くなった主人公に、自分の身の上話を話す」というシーンです。これはいつも決まって「作品完成お疲れさま」の慰労をこめた温泉旅行の宿の大浴場で語られます。その身の上話は、ゲスト本人の実話を若干脚色した本物の苦労話です。ゲストは主人公に背中を流してもらいながら、自分のつらかった過去を涙ながらに語ります。主人公はそれを聞いて、優しいけど前向きになるアドバイスを語ります。毎回毎回泣けちゃうと評判のシーンです。その間ずっとおっぱい出てますが、なんせ実話を元にしたエピソード語りが泣けちゃうので、口うるさいお年寄りも文句が言えません。だって泣いちゃうんだもん。しかも多少脚色しているとはいえ実話です。

番組の最後に、携帯電話用のQRコードが表示されます。そのQRコードAmazon楽天でも可)に繋がっており、そのQRコード経由で何かを購入すると、温泉シーンの待ち受け画像がダウンロードできます。買うものは何でもかまいません。購入すると番組にアフィリエイトフィーが入ります。視聴者も自分の欲しいものを通販するだけで画像がもらえるので損した気になりません。皆が買い物をすれば景気も良くなります。

落ち目のタレントが視聴率の高い番組に出演できて、しかも身の上話が話せて、芸術の教育的効果もあり、泣ける話で感動できて、画像ももらえて、番組制作側にもフィーが入り、世の中の景気も良くなるという。誰も損しないいいことずくめの話です。しかもテレビでごぶさたの裸が見られるんですよ! すごくないですか! 誰も損しません! 日本に活気が戻りますよ!

ま、俺自身、「テレビからは裸が無くなって年寄りでも安心して見られるようになって、その代わりをネットが担う」っていう今の流れはあるべき正しい姿と思ってるんですけどね。こういう番組がスパイス的にあってもいいんじゃないかと思って書いてみました。実現しますように!