ヒロトとマーシー

俺が自分をあまり音楽ファンじゃない、ロックファンじゃないなぁと思う理由のひとつに「解散やメンバー脱退に寛大」というのがあるのね。正直な話、それで泣きだしてしまう人たちの気持ちがわからないことが多いんだな。音楽やめちゃうとかどこか遠いところに行ってしまうとわかった時は相当ショックだろうけど、新しい音楽やってくれそうな状況ならむしろそっちを楽しみにしたいと思ってる。いつも書いてる話だねこれ。
例えばTheピーズのギターはアビさん以外に絶対考えられない! って思う。でも『リハビリ中断』は大好きなアルバムだし、あのアルバムの曲のギターはやっぱり俺の胸を打つ。あれがピーズじゃないなんて絶対に言わせない。もーそのへん矛盾してるし。っていうかこの例示自体蛇足だな。こっから本題なのに。
ヒロトマーシーがまた同じバンドを組んだ。ブルーハーツを10年やって、ハイロウズを10年やって、またすぐに一緒に始めた。これってものすごいことだ。一線級のロックンロールバンドがこんな歴史を持つなんて、多分世界中にひとつもない話だから。
昔やってたサイトで、ヒロトマーシーが余りにも仲が良いという事実に対して疑問を掲げ、「実は彼らが男同士ではなかったとしたら納得できるかもしれない、ヒロトは実は日本人男性ではなくセルジュ・ゲンズブールの娘で、マーシーと愛し合っているのだ」なんて冗談を書いたことがあるのだけど、笑えないくらい彼ら二人は一緒に居るし、お互いを信頼しあってるんだよね。
だからきっと俺はある日、二人が仲違いした後に別々の音楽を始めた時、どちらかがどちらかを否定するとか、「ああ、この曲はあいつの曲だから当時から演奏するのイヤだったんだ」とか、「ロックとはいえビジネスだから組んでいた面が大きいんだ」とか、そういうのを聞いたら多分俺は、相当にショックだと思うのね。解散脱退ぜんぜん平気で、別々になろうとも全く新しい音楽やってくれりゃそれでオーケーと公言してる俺だけど、ヒロトマーシーがお互いを否定したり非難したりってのは絶対に凹むと思う。まさに例外。彼らは本当に特別だよ。
俺、まだザ・クロマニヨンズの音聴いてないんですよ。存在自体が奇跡のバンドの奇跡の音、聴くのめちゃくちゃ楽しみにしています。