マイミクさんにあったことない人なんて一人も居ない

職場の同僚の口からmixiという言葉がこぼれるようになって久しいんだけど、俺はマイミクになってないのね。仕事とプライベートはできる限り切り分けたいっていうのが今の希望で。
でも「堂本さん、mixiやってるんでしょ、どこに居るんですか」ってあんまり何度も尋ねてくるので、冗談半分に言ってやったの。「いるよ、俺もう君のマイミクに。名前もプロフィールも変えてるけどね」って。ところが、全然驚かないんです。彼も何十人もマイミクさんを抱えているのに「それはありえないです」と全く動じない感じ。
俺、同じことを誰かに言われたらけっこうドキッとすると思うんです。いまだに会ったことのない、インターネットでのみ知り合ったマイミクさんってたくさん居るから。サイトを通じて知り合った方が東京の人ばかりとは限らないですからね。そういう人が実は会社の同僚で、名前を変えて俺をびっくりさせようとしてた、ってことだってありえるなぁ、って思うんです。
mixi会員が300万人とか400万人とか突破してから招待された人って、すごく乱暴な分け方ですけど、インターネット上に人脈を持ってた人ではないと思うんですね。だってmixiなんて最初は「当時ネットに詳しかった人の道楽」みたいなところから始まってたわけじゃないですか。
当時は俺「これは友人を友人であると認定する、人間関係を記号化して定着させる為のツールになるのだ」と思ってたんですけど、なんか違うような気がしてきました。実はもう既に「mixiには実際の人間関係と同じメンバーしかいない」っていう人のほうが全然多くて、職場や学校でつるんでるのの延長の、補助ツールでしかなくなってるって気がするんです。miximixiとして面白がってるというよりは、ポケベルやケータイと同じような道具。mixiを出会い系のツールとして使おうと思ってる人なんてもしかして急激に減ってるんじゃないか、とも思うし。
昔は顔の広い人が何人かマイミクさんになれば、どこに足あとをつけても「友人の友人」になったような気がしたんですが、今は全くそう感じないですね。街で通りすがる人がみんな他人であるのと全く同じように。昔はmixi、なんだかほんの少しだけ魔法がかかったような、いろんな可能性のつまった宝箱みたいな印象があったんですけど。