CDが借りられなくなった

いつからか、友達に持ってるCDを貸してくれと頼めなくなった。昔は借りて、カセットテープやMDにダビングして、気に入ったら買うということを繰り返してたのに。自分でも友人に「このCD良かったよ」といって貸し渡すことがなくなった。
自分の家に手に入れただけで聴いていないCDが山積になっているからという理由もあるけど、最大の理由はコピーだ。「CD貸してよ」が「コピーして所有して買わずに済ますからCD貸してよ」に勝手に変換されてしまう被害妄想。
知り合いのスポーツカーの中で「好きなのかけてよ」と分厚いCDフォルダを渡されて、開いてみたらどれもこれもがCD-Rだったことがある。100枚とかある金色のディスクを眺めながら「ジャンルいろいろ聴くんだねぇ」と俺が言うと、彼は「うん、オレ音楽好きなんだ」と言った。ほぼ同時期ぐらいから、俺はレンタルCDショップに行かなくなった。
俺自身の「無邪気に音楽を楽しむ為にいろいろ手を尽くす時代」は終わったんだなぁ。聴きたいと思ったCDを手に入れる程度の金は持ってる。手に入れた分のCDを全部聴くだけの時間がない。友達の持ってるCDを借りなくたって、聴く方法も聴くべきものもたくさんあるんだ。


今思えば、彼のCDフォルダは、自宅にあるCDのバックアップだったのかもしれない。車の中に置いておくと熱で曲がったりするし、盗難の危険も多いしね。