はてなダイアリーのひとつとして愛されているか

 俺が見て回ってるブログって、気づくとはてなダイアリーばかりだった。友人の多くも他のブログサービスではなくはてなダイアリーを使っている、ということが多い。何故なのか考えてみたけどよくわからない。俺の友人らが皆はてなダイアリーをセレクトしたというよりは、はてなダイアリーユーザーを中心とした人間関係に俺がぶらさがっているのかもしれない。俺の友人には面白くて賢い人が多いし、皆アンテナも高い人たちなので、人付き合いとか馴れ合いだけではてなダイアリーを選んでるということはないと思う。
 俺がはてなダイアリーを選んでるのはやっぱりはてなキーワードが便利だからだ。実は当初「意図したリンクURLでもないのに下線が引かれまくってて、行ってみると用語説明。はてなダイアリーは本当に見づらい!」とか思ってた。でも慣れてしまった今は全然平気っていうかむしろ好きだ。近い内容のエントリーを探す時にかなり便利だ。「トラックバックによってブログ同士が繋がり、近いテーマへの言及のサークルができていく」なんていうのは全くの幻想に終わったわけだけど、はてなキーワードは地味にその機能を果たせていると思う。集合知の良さも引き出しているし、考えた人ってば頭いいなぁと思う。それが俺がはてなダイアリーを使ってる理由だ。別にはてなダイアリー同士の自動トラックバックで馴れ合うためじゃない(実際ほとんどないし!)。
 でもきっと……俺が知らないだけで、はてなダイアリー以外のブログサービスにも、「同じブログサービス内で繋がりやすい、アクセスを稼ぎやすい仕組み」はあるんだろうと思う。あるはずだ。興味の似た人が交流できるシステムがあれば、書いた文章が読んでもらえて気に入ってもらえる可能性も増えるわけだし。


 津田さんが昔書いた記事に「無料のブログを100個作り、全てに同じ記事をコピー&ペーストして、全てに同じアフィリエイト広告のバナーを貼り付けておくと、たったそれだけで毎月数百円の小遣い稼ぎになる」ってのがあったんだけど、なるほどって思うのとともに何だかいろいろ考えてちゃったんだよね。個人が100個のブログを持つこと、その全てに同じ記事をコピペすること、それで広告収入を得ること。何一つ悪くない。どれひとつとってもルール違反じゃない。
 一つのブログに面白い文章を書いたとして、数日更新すればそれは過去ログに格納され、人の目にとまることは少なくなる。過去記事を掘り起こしてくれるのがGoogleYahoo!だとしたら……ヒットしやすくなるように、同じ文章があっちにもこっちにも置かれていた方が良いに決まってる。書いた文章に価値があるなら、それが人の目に触れる機会が増えた方が誰にとっても好都合だもんね。はてなキーワードをたどって読んでもらうのと同じように、別のブログサービスの繋がりシステムを使って読んでもらえた方がいい。
 それでも俺の中にもやもやが残るのは……結局俺が「ホームページ時代」を引きずってるからなんだろうなぁ。ホームページがあって、そのホームページの「中の人」たる管理人が居て、その人が文章を更新する。面白い文章の日もそれほどでもない日もあって、その積み重なりがホームページの歴史になる。安定して面白いと感じられる文章が読めるページが「お気に入り」になっていく。その管理人さんを個人的に知ってるわけでなくとも、ブックマークを通じて日々、文章に会いに行く感覚。そういうのって「無料ブログ100個に全コピペ」とは全く違う世界の話だ。ホームページひとつと管理人がセットだったから。複数のサイトを管理していたとしても、それは分ける理由と意味があるからで、別の独立したサイトを管理しているためだったから。今は個人の書く文章が、個人単位でなくエントリー単位でしか評価されなくなりつつあるってことなんだよね。
 いやぁ、当時からそういうとこもあったけどさぁ。俺自身、今、エントリー単位で見て回ってるフシもあるけどさぁ。


 俺がわりと定期的に見て周ってる個人ブログって、はてなダイアリーばっかりだ。それは結局俺が「友人のブログ」しか見に行ってないってことなんだなきっと。昔から俺、「ここの管理人は嫌いだがアクセス数の多いサイトだからたまに目を通しておこう」とかしたことないしな。
 俺がユルスやサヨナナの文章をコピペして、「同じの内容だが名前が違うブログ」を複数作ったら、俺の友人はどれを選ぶんだろうね。レイアウトが一番見やすいものを選んで、あっさりブックマークを書き換えるかしら? 俺のユルスは、「はてなダイアリーのひとつ」として少しは愛されているのかしら?
 ……みたいなことを考えたのでした。たいした結論なくってすみません。