紅白歌合戦

今年の紅白歌合戦の出場メンバー発表を受けて今更だとは思うけど書く。書きたいから書く。
去年出て今年出られなかった人を見ると、単純にヒット曲だな、って思う。今年はそれが顕著なんだろう。去年出てたのに出られなかった人は今年一年、テレビでの露出が多かったとしてもヒット曲がなかった。「今年ならこの曲だよね」という曲がない。だから「GIRL NEXT DOORAVEXが無理矢理つっこんできたんだね」とかおっしゃる向きも多いけど、俺はデビューシングル「偶然の確率」のサビがそれなりに浸透した結果だと思ってる。今年出られなかった人たちは「偶然の確率〜 それはゼロじゃないと〜♪」よりもキャッチーなフレーズを世に伝えられなかった、ってことなんじゃないかな。
矢島美容室は本当に悔しがってると思うよ。紅白で相当おいしい想いをした(はずの)DJ OZMAだし、レコード出すなら目標はいつも紅白歌合戦っつってたとんねるずだしね。あんだけ全力でプロモーションしてたのも全て紅白の為、って気がするもん。紅白に関係ない時期に矢島美容室が活動するなんて全く想像もできないよね。
モーニング娘。も悔しいだろうね。秋以降、阿久悠のカヴァーに全力を注いだのは目標を紅白一本に絞っていた為のはずだから。阿久悠を再評価する層と現在の購買の主軸となる層が微妙にズレてたんだろうなぁ。
「今さら紅白なんて」って風潮も強いけれども、やっぱり日本の音楽業界の話題性としては最高峰だと思う。大晦日の生放送を見ないけど「誰が出るのか」を意識してる人はものすごく多い。
「シングルを売って稼ぐ」ということは音楽ファンに向けて行なうことじゃない。決してない。だってミリオンヒットのシングルを買った9割は音楽ファンではなくミリオンヒットが好きな人なんだから。そんな人たちに向かって最高の舞台(=紅白)で自己紹介ができるってことは、つまり来年の収入に直結するってことだよね。
音楽に月に何千円も何万円もお金を使う人たちがどれほどそっぽを向いたとしても、紅白は日本の音楽業界の頂点に君臨してる。それが流行り歌の世界ですから。流行り歌の世界に属して「新曲出してプロモーション」というサイクルに乗っかっておいて、「紅白歌合戦とか関係ないッス」ってこたぁないよね。一人でも多くの人に伝えたい歌があるなら、音楽ファン以外が最高の受身姿勢で待ってる紅白歌合戦以上に良いステージなんかないんだから。
なーんつって俺、今年の大晦日紅白歌合戦観ないんだけど。俺が自分から観ようとして観た紅白、とんねるずの「受信料を払おう」が最後な気がする。