IPPONグランプリが楽しみ

大喜利芸人日本一決定戦 IPPONグランプリ〜春の陣〜」がいよいよ3月30日に迫ってきた。スタジオセットの金のかけ方ひとつ取ってもこれをM-1クラスまで持って行きたい心づもりが伝わってくる。そんで実際に面白い。春の陣も楽しみにしてます。
松本人志がやっぱりすごいなと思うのは、こういう権威付けの上手さですよね。前にも書いたけど。芸人が芸人として面白く振る舞える瞬間ってものを、ちゃんとお膳立てして権威付ける、その構造作りをやったという功績は大きいと思う。大喜利日本一ってのもアイディアとしては普通だし、ダイナマイト関西ってのもあったけども、やっぱり松本人志だから意味がある。
大喜利って単純なハガキネタともやっぱりちょっと違うんですよね。お題に対してフリップを使って答えるだけだけど、そのネタの価値は文字や絵だけじゃなく、出し方、喋り方、抑揚、選択のタイミング、自分で笑うか否か……などなどなど、たくさんの要素で味付けされる。まああくまで味付けですけど。
昨年末にやった09-10開幕戦を思い出してみるといろいろ面白い。冒頭に「お台場笑おう会」という謎の団体が主催しているんだよという説明がある。この時点で俺はその団体にどんな意味があるのかわかっていない(春の陣の告知を聞くまでわかんなかった)。松本人志は「チェアマン」という役割。進行役にMEGUMI、ゲストに茂木健一郎がついていて、3人は大会会場とは別のところで解説をするという形式。このMEGUMIと茂木のトークに俺がノレなくてね……。番組冒頭の茂木の「脳にイッポン!」という発言に劇的に震え上がってしまったんだけど、あれは台本通りなんだろうな……。松本も吹き出すほどに苦笑いしてた。
オープニング映像が無闇に格好良くて。矢沢永吉の「止まらないHa〜Ha」とともに出場者のイラストが表示されていくだけのシンプルなものなのにその格好良さ。なんだろねあれ。ちなみに各人の名前がローマ字表記されるんだけどバカリズムがBAKARIZUMUで泣きたくなった。自筆の「トツギーノ」はちゃんと「Bakarhythm presents」だったじゃんね。
本編はむちゃくちゃ面白かった。ネタも面白かったし、採点方法も開票されてく時の演出も良かった。各ネタに対して松本がコメントを寄せていくのもすごく面白かった。ネタと松本のコメントを全部書き出していきたいと思ったくらいに(俺がやるとはてなテレビの土踏まずさんのパクリみたい?)。バカリズムの強さは思った通り、いや想像以上だったかも。ジュニアもさすが。オードリー若林ってやっぱ凄いと再確認。全然「じゃない方芸人」じゃないよね。ケンコバが連続で不発だったな。有吉は……俺の目って節穴だったんだなって感じるぐらい面白かった。こんなに大喜利能力高いとは知らなかった。おみそれしました。あと、ビビる大木が猛烈に良かったです。IPPON取れなかったけど俺は爆笑ってのいくつもあったな。哀愁がねぇなぁと俺も思いましたよ。
そんで次回ですよ。最重要ポイントが出場者。前回に引き続いて出場するのは4人(千原ジュニア、オードリー若林、バナナマン設楽世界のナベアツ)。初登場がよゐこ有野、スピードワゴン小沢、野爆川島、サバンナ高橋椿鬼奴ネプチューン堀内。「2回目、しかも連続での出場ってアリなんだ」ってのは驚きましたよね。IPPONグランプリM-1と同じくらいの権威にするとして、「どうやったら出場できるのか」が重要じゃないですか。日本中のお笑い芸人がこの頂点を目指すなら、M-1みたいに予選をやんなきゃならない。それをやんないなら、この謎の団体「お台場笑おう会」がキーになるわけで。その団体から何らかの理由で選んでもらえれば出場できるし、どんなに大喜利能力が高くても「お台場笑おう会」に拾われなければ出られないわけですから。やっぱり各事務所のバランスって大事じゃないですか。開幕戦が吉本5:ワタナベエンタ1:ケイダッシュ1:ホリプロ1:太田1:マセキ1の比率で、春の陣ではホリプロコム枠がひとつ増え、松竹芸能が初追加して太田プロマセキ芸能社が枠を失った感じ。枠数を調整しつつ、各方面に角の立たない形でやっていくために、わけのわからない団体のせいにしちゃおうってことなんだろうけども。できることなら予選をやって欲しいですねぇ。予選的な役割を果たす深夜番組を作って欲しい。
俺が今後出場して欲しいと思ってるのは、順当なラインでいけばバッファロー吾郎のふたり、ピース又吉カナリア安達とかですかね。竜泉なんてのも面白いかも。板尾さんとかは無理かなぁ。そんで最終的にはラーメンズ小林を引っ張り出して欲しいかな。
いずれにしても楽しみですね。来週火曜日深夜(3月30日火曜日24:35)ですからお見逃しなく。
http://www.fujitv.co.jp/ippon/index.html